広告式就職活動

広告式就職活動とは

多くの競合がひしめく中で、「私」という商品をいかに「志望企業」というターゲットに選んでもらうか?その為の活動である「就職活動」は、「広告活動」そのものです。広告式就職活動は、そんな「就職活動=広告活動」という仮説のもと、自己PRの書き方などのテクニック論だけではなく、自分の価値の見つけ方や、志望企業選びのポイントまでを広告コミュニケーションに置き換えて考える新しい就職活動のかたち。実際の広告制作過程に沿って「選ばれるための手段」に共通するツボを紹介することで、自分を見失いがちになり易い就職活動を体系的に整えます。

「広告式就職活動」を始めたきっかけ

小島:

僕たちの会社にもOB訪問で学生がたくさん来ます。みんな自己PRを紙で持ってくるのですが、正直その人の良さが伝わってこないものがあまりに多くて…。本人に良いところが無いわけは無いので、伝え方に問題があるのかなと。

笹木:

僕も小島君と同じように感じていました。世の中には就職活動のノウハウ本やマニュアル本がたくさん出ていますが、そこに書かれている型にはまったことしか言えない、言ってはいけないと思っている学生が意外に多い。もっとその人ならではの伝え方、ワガママになって欲しいと思っていたんですね。

小島:

マニュアル本には「結論を先に言いなさい」「具体例を挙げて、失敗例から何を学んだのかを言いなさい」と書かれています。それを否定はしないのですが、マニュアル通りに話すことばかり気にして、その人の良さが全然みえてきません。

笹木:

つまり、広告がうまくできていないのだと思うんです。広告の普遍的な役割として「伝える」がありますが、就職活動も「伝える」という点では同じ。問題は「伝えているのに、伝わらない」ことです。「伝える」とは、あくまで自分主体で伝えること。「伝わる」は、相手にどう伝わっているかということ。つまり、伝えたいことを、相手に伝わるように変換しないと、相手には伝わりません。だったら、広告活動のツボを押さえれば、就職活動にも生かせるはず。そう思ったのが、僕らがこの活動を始めたきっかけです。

小島:

就職活動は自分の広告活動だとよく言われますが、それなら、きちんと広告のやり方でやってみようということで、この活動をはじめました。

広告活動と就職活動の共通点

笹木:

広告活動と就職活動で共通しているのは、どちらも「選ばれるための手段」ということです。広告活動は、多くの競合商品の中から、いかにその商品をターゲットに選んでもらうかということ。一方で、就職活動では、多くの大学生の中からいかに自分を志望する企業に選んでもらうかということです。そう考えると、商品=自分、ターゲット=志望する企業、競合商品=他の大学生となり、広告と就活はまったく同じ構造だということがわかります。

そこで、広告活動の進め方を就職活動に応用してみます。

広告活動がどのように進められていくかというと、最近はいろいろなケースがあるのですが、オーソドックスな形としてはまず、クライアントからオリエンテーションを受け、商品の現状分析を行います。次にその商品がどんなターゲットに選ばれやすいのか、ターゲットはどんな気持ちなのかを分析し(ターゲット選定、インサイト分析)、それをもとにターゲットに対して伝えるメッセージを決め(コンセプト設定)、具体的にコミュニケーション活動を実践し、これらの活動結果を分析、評価し、改善していく(PDCA)というのが一連の流れです。

これを就活に置き換えると、オリエンテーション=就活開始、現状分析は=自己分析、ターゲット選定=志望企業選び、コンセプト設定=自己PR作り、ということになります。

次からは、広告を作る上で僕らが思っているツボに沿って、就活のツボを考えてみたいと思います。

自己紹介

小島 雄一郎 プランナー
立教大学法学部法学科卒業後、電通に入社。営業局にて流通企業のキャンペーンプランニングを担当。2010年第1回販促会議賞でシルバーを受賞し、プランナーに転向。第2回販促会議賞でも協賛企業賞を受賞するなど、プロモーションプランニングを中心に活動。(07年マスナビ、08年宣伝会議コピーライター養成講座卒業)
笹木 隆之 プランナー
筑波大学社会工学類都市計画専攻卒業。大学時代にアーク都市塾の奨学生として経営を学び、電通に入社。戦略コンサルティング室で未来創造プランニング、ブランディング・マーケティングを担当。 「次代のフロントライン」をテーマにした論文がJAAA第40回懸賞論文を受賞するなど、経営にアイデアで企業の成長戦略をサポートしている。 著書「自分ゴト化 」 ファーストプレス社
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