広告が果たせる地域共創ビジネス/JR西日本コミュニケーションズ 森友香さん〈Fresh Eye〉

広告が果たせる地域共創ビジネス/JR西日本コミュニケーションズ 森友香さん〈Fresh Eye〉

広告業界や広告・コミュニケーションについて、広告会社で働く若手の皆さんはどのように感じているのか? 広告会社に入って感じたこと、日々の仕事で思うこと、これからの想いなど。実際に現場で働いている先輩方の新鮮な視点をお届けする「Fresh Eye」。

今回はJR西日本コミュニケーションズ 森友香さんの視点をご紹介。広告業界で地域共創をどう実現できるのか、大切なことは何か。あるプロジェクトを通して学ばれたという森さんのコラムです。(以下、JAAA REPORTS「Fresh Eye」より転載)

写真:森友香さん
森友香さん株式会社JR西日本コミュニケーションズ ソーシャル&コンテンツビジネス局
【 目次 】
広告が果たせる地域共創ビジネス
JAAA REPORTS「Fresh Eye」

広告が果たせる地域共創ビジネス

「世間を賑わす話題づくりがしたい」。就職活動時、面接官に夢を語り、ナショナルクライアントの仕事がしたいと意気込んで広告業界に足を踏み入れた私が、2020年4月のコロナ第一波と合せて異動したのは「地域共創」を主とする現在の地域ビジネス専門部署であった。


正直、「地域共創」や「ローカルビジネス」という言葉と「広告」との繋がりに親しみがなかった為、あまり関心を持てずにくすぶる中、掴んだチャンスはパートナー企業と共に新会社を設立し、行政課題の解決に特化した新規事業の立ち上げであった。

具体的には、資金の調達から登記・設立、事業経営や収支計画策定、営業活動、現場管理など、事業の経営から事務処理まで、会社運営に係る業務を一気通貫して経験した。

本プロジェクトを通し勉強させていただいたことは数え切れないが、私が最も心に響いたのは、「地域の<ヒト>との繋がりの大切さ」という当たり前のことだ。


広告業界とは異なる業態で違った強みを持つパートナーに、共同体として共創・伴走してもらうことで、1社では成し得ることない新たな価値提供が可能となり、ソリューションの幅と深さを何倍にもすることができる。さらに、アウトプットの先のエンドユーザー<ヒト>の顧客満足度を高めることができる。ということを身をもって学んだ。

毎日が目まぐるしく過ぎ、瞬く間に情勢がかわるこの業界では、いつしか、実施すること・納品することが目先のゴールになってしまい、協業して取り組むパートナーとの絆の大切さや、広告の先に待つヒトとの接点の重要性をついつい疎かにしてしまっていることがある。特に、行政が抱える社会課題の奧には、その地域に住まれている住民<ヒト>が必ず関係する。自治体が抱える課題は様々あるが、主人公は必ず住民である。広告というヒトの関心を引きつける手法を通じて、自分で考えたプロモーションが地域に住まれている住民に届き、その生活を豊かにすることができる。そんな無限の可能性を秘めるこの業界に、まだまだ胸が高まると同時に、これからもこの業界で戦って、社会的意義のある取り組みを行っていきたいと思う。これからも地域課題の解決の一助になることを目指して。


JAAA REPORTS「Fresh Eye」



広告会社が集まり、広告を考え、広告を育てるために生まれたJAAA(日本広告業協会)。1950年の発足以来、日本の広告業界を代表する組織です。同協会が、協会の活動や研究内容を共有する機関誌『JAAA REPORTS』では、若手の業界人が日々感じていることを綴るコラム「Fresh Eye」を連載中です。


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