広告業界に興味を持った理由を教えてください。
浅野:高校生の頃から、文化祭の前日や当日の雰囲気が好きでした。大変な準備期間を経てこしらえたものをお客さんに見てもらい、リアクションをもらえることにモチベーションを感じていたからです。そこからイベントに興味を持ち、大学時代はアルバイトでドームやアリーナの音楽ライブスタッフとして演出のサポートをしていました。ライブを通して来場者が笑顔になったり、時には涙を流してもらえたりする姿をみるなかで、自分たちが生み出したものでこんなに人の心を動かせるんだと感じました。
就職を考えたときも、仕事のなかでこのような幸せを感じたかったので、イベントに携わりたいと思いました。また「つくり出したもので人の行動を変えられる」という点で広告にも興味があり、大学ではマスコミ研究室に所属していました。電通ライブに決めたのは、電通グループのなかでイベントを制作している唯一の会社だからです。誰もが知るような大企業の案件を担当できるスケール感に惹かれました。
茂木:私は広告業界を志望していました。広告業界であればさまざまな業種の悩みを知ることができ、面白そうだと思ったからです。幅広く広告業界の企業の説明を聞くなかで、「その場で反応を見て、ちゃんと広告が届いているかどうかを見たい」と感じるようになりました。テレビCMは大勢に届けることはできても消費者の反応を生で感じるのは難しく、ダイレクトに受け手の反応が得られるイベントに興味を持ちました。そこで電通ライブに出会い、当社のホームページで事例をいくつか見たとき、水族館やダンスイベントなど想像以上にさまざまな案件があり、魅力に思いました。
入社の決め手は「世界一のイベント制作会社」というキャッチコピーです。せっかく携わるなら大規模なイベントに携わりたいと思いました。また、面接で出会う社員に対して、自分が素でいられたことも大きいです。どのような自分も受容してくれて、自分の素を楽しんでくれているように思えました。たとえば最終面接のとき、レストランでアルバイトした経験を話したのですが、その際に面接官から「お客さんとして電話をかけるから、対応してみて」と言われたことがありました。自分の素を引き出そうとしてくれているのを感じました。
浅野:たしかに。面接では、社員の関係性も見えましたね。面接官同士が雑談している場面もあって、風通しのよい社風だと感じられました。
入社後は、どのような仕事をしてきましたか?
浅野:入社後はまず、大型イベントの事務局をしていました。大手出版社のファン感謝イベントで、大型展示場全体を広く使う規模の大きいイベントです。出展社とのやり取りや、ブースの制作などに携わりました。2年半ほど携わったあとはコロナ禍でイベントの実施が一時的に厳しくなったことで、官公庁系の案件にも携わるようになりました。
茂木:私は入社後半年ほどの研修期間を経て、本配属になってから浅野さんと同じチームで仕事をしています。直近ではメーカーの新商品発表会、ファンミーティング、また電通グループの入社式の仕事もありました。イベントといっても本当に幅広いんだと実感しています。またちょうど取材を受ける2日前に大型野球イベントが終了し、達成感でいっぱいです。浅野さんと一緒に進めていた仕事でした。
お二人で関わっていたイベントについて、詳しく教えてください。
浅野:数万人規模の観客が来場する、往年のプロ野球選手による飲料系クライアントの試合イベントを開催しました。20数年にわたって毎夏実施しているこのイベントで当社が関わるのはイベントのほぼすべてではありますが、たとえば試合の合間で行う告知を考えるなど、クライアントとその商品をよりよく思ってもらうための演出を企画しています。また出演者の管理、チケットの売り方や運営マニュアルの策定、会場との調整、制作物の作成にいたるまで、当日の運営以外にも幅広い業務があります。これらをチームの先輩と茂木さん、私の3人体制でうまく手分けしながら担当しました。メインの担当分野は決めつつ、基本は3人全員で関わっていくイメージです。大型イベントなので関わるスタッフ数も多く、社数にすると20社以上。関係各所との調整は大変でした。
準備期間はおよそ半年。毎週クライアントと打ち合わせを重ねました。来場者に感動して帰ってもらえるようにしたいという思いで提案をしたり、関係者との綿密な調整をしたりすることで、より企画が良くなっていくと感じられました。
茂木:私はチケットを担当していましたが、考えることが本当に多かったです。まずは座席をどう割り振ってチケットを売るのか。クライアントの顧客や社員の席、一般来場者の席など、本当にさまざまな席種があります。また、先着か抽選か、席に特典を付けるか付けないか、特典はいつどのタイミングで渡すか。これらを一つひとつ決めていく必要があります。またチケット購入者へのメール文や、当日どう入場するかわかるようにPOPを制作する仕事もあります。こうした一見細かいことでも、しっかり準備をするからこそ当日スムーズに来場者が入場できます。
作業ボリュームも大きく大変でしたが、半年かけてつくってきたイベントにお客さまが大勢来場してくれたこと、そしてクライアントの商品を片手に試合を見ている姿を見ることができてうれしかったです。短い期間で制作しないといけないものもあったのですが、先輩二人と制作チーム、クライアントと連携しながらどうすれば解決できるか考える過程も楽しかったです。
チームで常に連携して仕事をされていると伺いましたが、茂木さんから見た浅野さん、浅野さんから見た茂木さんの印象を教えてください。
茂木:野球イベントの準備中、二人でもチームでもよくご飯に行きました。ご飯中は仕事の話もプライベートの話もしました。とても話しやすい先輩です。また仕事では、案件の進め方や各所との調整において細やかな気遣いがあり、また情報の整理や管理が正確でスピード感があって、本当に尊敬しています。また、誰が見てもわかりやすい資料作成をされるので、いつも見て学んで盗んでいます。
浅野:茂木さんは粘り強く、自分が任されているパートに責任を持って仕事に取り組んでいると感じます。どうコミュニケーションをとるべきか、クライアントからどのような情報が必要とされているかなどをしっかり考えて行動している点が素敵だと思います。
どんな人が電通ライブに向いていると思いますか?
浅野:私も茂木さんも含めて、多くの人と出会い、いろいろな業種の仕事に携わりたい思いで入社しています。実際さまざまな人と関わりながら仕事を進めます。そのため、チームワークに楽しみ、やりがいを見いだせる人が向いていると思います。
またこの仕事は縁の下の力持ちなので、世の中に社名が出ることは少ないです。クライアントに知恵をお貸しして、影で力になるポジションにおいてもやりがいを持って進められる人には向いているのではないでしょうか。
茂木:人をよろこばせるのが好きな人が向いていると思います。私自身、企画を考えるときはクライアントの「こんなことがしたい」という思いをかなえるのはもちろん、クライアントの先のお客さまによろこんでもらえるかどうかも考え、企画をしています。社内においても先輩から資料作成をお願いされたら、「その資料を使って先輩はどうするんだろう?」と意図を考えて資料の準備をしています。
また、会社の先輩を見ていると、業界の特性なのかもしれませんがみんな楽しそうに仕事をしていると感じます。とにかく楽しむことが好きな人に向いていると思います。
浅野:そうですね。入社して5年半経ったいま、ライブの人たちは「仕事と遊びの境がない人たち」と表現できるのではないかと思いました。仕事を遊びに、遊びを仕事にしている社員が多い印象です。情報感度が高く、雑談中でも「そんなことも知っているんだ!」と驚くことがありますし、雑談で出たアイデアを仕事にすぐ活かす姿も見られます。わくわくすることを考えるのが好きな方、ミーハーな方は、当社で楽しく仕事ができると思います。