念願のクリエイティブ職。発信し、反応をもらえることは、やっぱり楽しい/オリコム コピーライター 瀧智之さん

念願のクリエイティブ職。発信し、反応をもらえることは、やっぱり楽しい/オリコム コピーライター 瀧智之さん

現在の交通広告の原型となるビジネスモデルを形づくり、独自の強みを持つ総合広告会社、株式会社オリコム。幼い頃から、自分が発信したものに対して反応をもらえることが楽しみだったという瀧さんは、仕事でも同じ楽しみを味わいたいと思い、広告業界を志望しました。念願のクリエイティブ職に就いたいま、どのような思いがあるのでしょうか。お話を伺いました。(マスナビ編集部)

写真:瀧智之さん
瀧智之さん株式会社オリコム コピーライター
【 目次 】
現在のお仕事は?
コピーライターを目指したきっかけは?
どのような就活をしていたか?
仕事のやりがいや魅力は?
学生のみなさんにメッセージ

現在のお仕事は?

肩書はコピーライターですが、クリエイティブ関連の業務全般を請け負っています。CM制作やプロモーション企画、制作進行管理など幅広く携わっています。

コピーライターを目指したきっかけは?

小学生の頃、毎日連絡帳に一日のできごとを書いていたのですが、本来なら「●●くんと遊んだ」と書くところを、適当なキャラクターをつくって、小説まがいな殺人事件に仕立てて書いていました。それに対して先生が、赤ペンで「彼らはこのあとどうなったんですか?」とコメントしてくれたのが嬉しくて、ますます張りきって続きを書きました。

あとは、自分でつくった校内新聞に描いた劇画タッチの絵に対して「面白いね」とか「ちょっと気持ちが悪い」といった反応があると、それが楽しくて、次はもっとすごいのを描こうというモチベーションになっていたんです。

文章や絵だけではなく、校内放送でも友人の反応が楽しみでした。お昼の時間にコメントをつけてリクエスト曲を紹介すると「さっきの放送、面白かったよ」と言ってもらえて、自分のアウトプットに対する反応が新鮮で興奮しました。昔から一貫して「自分が発信したものに対して反応がある」ことが嬉しいのだと思います。

何か言ったら反応があるし、言わなければ何もない。それは、広告も同じですよね。テレビCMが話題になって、クラスメイトが真似をする様子を見ると、「誰かがつくったものに反応がある」というのは自分が楽しんでいることと同じだなと感じていました。就職について考え始めた大学1年の終わり頃には、広告業界1本に絞っていたと思います。

どのような就活をしていたか?

広告業界に絞った時期は早かったのですが、就活では苦労しました。

自分を商品・サービスとしたときに、「クリエイティブをやりたいです」という一面しか出していませんでした。もっと自分の違う面も売り込むべきだったなと反省しています。だって、企業が総合職を探して採用活動をしているのに、「これしかやりたくない」なんて面倒な一駒じゃないですか(笑)。

例えば自分の場合だと、留学先の語学学校で知り合った方が手掛けるインターンシップビジネスの手伝いをしたことで、英語力とビジネスの現場の両方を知ることができました。そういう話をすることで、もっと採用してもらえるチャンスがあったのかもなと、いまは冷静に振り返れます。

仕事のやりがいや魅力は?

最初の配属先は、クリエイティブではなく、インターネット広告のメディアバイイングを担当する部署でした。オリコムのデジタル部門は裁量も大きいので、タイアップの企画提案から広告の運用調整まで、さまざまな仕事をやらせてもらいました。2年目の秋に転局試験を受けて、希望していたクリエイティブ職になりました。

デジタルのときは、量をどれだけ効率的にさばくかが課題でした。今は、量やスピードよりも質。質を高めるために上限はないので、たまにちょっとキツいな、と思うこともありますが、やはり楽しいです。

企画を考えるときは、それが世の中に出たあとの反応を想像しながら考えるので、ワクワクします。社内で企画を提案するときは、正攻法だけでなく、少しシニカルな視点を加えたアイデアをあえて盛り込むようにしています。課題となっている商品・サービスの魅力を突き詰めていくと、単に「機能がいい」や「見た目がいい」だけではありません。「なんでこのような機能になったのだろう? なぜこのようなデザインなのだろう?」といった疑問も湧き上がってきます。

だから、打ち合わせの場でもあえて問いかけることで、その場を盛り上げたいなと。小さなことですが楽しいですし、自分がそこに参加している意味があるのかなと思います。また、それを「瀧くんっぽいね」と言われると、やっぱりちょっと嬉しい(笑)。子どものころから変わらず、反応があると嬉しい生き物だとつくづく思います。

学生のみなさんにメッセージ

OB訪問を受けたとき、学生のみなさんには「広告業界は、飽き性の人には向いていると思う」と伝えています。

私がメーカーに就職していたら、仕事が続けられなかったと思います。同じ商品の深堀りを続けることは、やりがいはもちろんあると思うのですが、どうも自分の性に合わないなと。

この業界は、金融業界からお菓子や化粧品まで、得意先によって課題が毎回異なるので、知らなかった世界に触れられるきっかけをいただけます。飽き性でいろいろなことにチャレンジをしてみたいという人にはおすすめの業界です。

また、やりたい気持ちを伝えるためには「自己発信力」が必要なのかなと思います。自分の考えや思いをきちんと言語化して周りに伝えないと、チャンスも巡ってきません。クリエイティブ領域では感覚的な部分が多いので、自分はこれがいいと思っても、先輩や同僚がそうは思わないこともあります。それでも、バランスを見ながら、粘って話してみる。そんな根気強さも学生時代から意識しておくといいかもしれないですね。

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