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人の心を揺さぶるコンテンツ。自分だけの「旗」を立てる/CHOCOLATE プランナー・漫画編集者 外川敬太さん

人の心を揺さぶるコンテンツ。自分だけの「旗」を立てる/CHOCOLATE プランナー・漫画編集者 外川敬太さん

2012年に博報堂へ入社し、プロモーションプランナーとして活躍した後、2019年に独立した外川敬太さん。現在はフリーのプランナーとして活動しながら、2018年からは小学館の「ゲッサン(月刊少年サンデー)」に漫画編集として所属し、『からかい上手の(元)高木さん』『100日後に死ぬワニ』などの作品にも携わっています。今回は、外川さんの学生時代から現在の活動、仕事に対する思いについてお話しを伺いました。(マスナビ編集部)

写真:外川敬太さん
外川敬太さんCHOCOLATE プランナー/漫画編集者
【 目次 】
広告業界を目指したきっかけは?
就職活動で工夫していたことは?
博報堂時代に心掛けていたことは?
学生のみなさんへメッセージ

広告業界を目指したきっかけは?

もともとはアップルに入社することを目指していて、大学院では電子工学を専攻していました。しかし、実際にアップルに就職するのはとても厳しい道のりで、他の道に進むべきか悩んでいました。

そんなときに、偶然参加した就活イベントで電通の会社説明会を見たことが、広告業界を知ったきっかけでした。そこで登壇していた先輩社員の方が「自分が大好きなサッカーを仕事にしたくて、FIFAワールドカップの案件を担当している」と話していたんです。当時の私は「好き」と「仕事」は分けるべきと思っていたのですが、好きなことを仕事にしている先輩社員の姿がとてもかっこ良く見えました。自分も好きな音楽や漫画といったコンテンツに関わる仕事をしたいと考えるようになりました。そして、その思いを実現するには広告会社が一番ではないかと思い、この業界を志望するようになったんです。

就職活動で工夫していたことは?

エントリーシートを書くときには、大学院で学んでいたことではなく、ミスタードーナツでアルバイトをしていたことを書いていました。

私が勤めていた店舗では、バレンタインに合わせて「チュロス」という商品をハート型に整形して販売していました。その結果、前年比200~300%の売り上げを達成したんです。その時に、商品の見え方やストーリーをつくることで、いかに人の心が動くのかを学ぶことができた、という内容でエントリーシートを書いていました。

大学院で取り組んだ研究などは題材として面白いと思う一方で、どうしても内容が難しくなるので興味を持たれにくいし、会話も広がらないんですよね。それよりも、会話のキャッチボールができそうなテーマで、共感を得やすい経験談を交えた内容の方が、より自分を表現しやすくなると思います。

あと、OB訪問も積極的に行うようにしていましたね。会社説明会では、企業の良い部分ばかりしか見ることはできません。後悔しない就職をするためにも、実際に業界で働く先輩たちに何度も話を聞いて、あらゆる角度から情報を集めておくことが大切です。私の場合は、電通に入社した先輩社員に4回ほどOB訪問させていただき、業界のことだけでなく、エントリーシートについてもアドバイスしてもらいました。

そうして選考が進んでいくなかで博報堂に出会い、自分が興味を持つことに対して、チャレンジを応援してくれる人ばかりな社風に惹かれ、入社を決意しました。

博報堂時代に心掛けていたことは?

©️原泰久/集英社

博報堂では、自分なりの「旗」を掲げることを常に意識していました。

印象に残っている案件のひとつが、漫画作品『キングダム』が山手線をジャックした「山手線キングダム展」です。これは作品の連載10周年を記念して行われたもので、車両の広告スペースや外観を使って未公開ネームやイラストを公開し、環状線の特性を活かして作品の魅力を伝えました。

もうひとつは、シンガーソングライター秦基博さんのベストアルバム発売を記念して制作した、あだち充先生の漫画『タッチ』『MIX』とコラボしたスペシャルMVですね。秦基博さんがかねてよりあだち先生の大ファンだったことから実現した企画でしたが、私自身もあだち先生の作品が大好きだったので、作品に携わることができてとても嬉しかったですね。

案件に取り組むなかで最も嬉しかったのが、大勢のファンが感動してくれたことに加え、原作者であるあだち先生にとっても、作品づくりのモチベーションになるような刺激を与えられたこと。自分に対する評価ではなく、人々の心を揺さぶることができた手応えを感じ、そこでひとつの「旗」を立てられた実感が湧いたんです。

現在は博報堂を独立し、コンテンツスタジオCHOCOLATEでプランナーや「ゲッサン」で漫画編集者としても活動しています。直近だと、コンテンツの展示イベントやアーティストのプロデュース、MUSIC VIDEO制作など、漫画づくり以外の領域にもチャレンジしています。居場所が変わったとしても、掲げている「旗」は同じです。自分が大好きなコンテンツを強みに、これからも人々に愛される作品づくりに携わっていきたいと思います。

学生のみなさんへメッセージ

就職活動をしていると、「やりたいことを決めなきゃ」と考えてしまうかも知れませんが、焦る必要はありません。まずは広い視野で社会を見つめ、情報を集めてみてください。固定観念にとらわれず、たくさんの情報に触れることで新しい発見があります。その方が後悔しない決断ができるし、後々の人生にもつながっていくと思います。

私自身も、「大きな仕事に携わりたい」とは思っていたものの、具体的な目標は決めきれていませんでした。そのなかで広告業界を選んだのは、あらゆる分野をフラットな立場で見つめながら、企業の課題解決に貢献できる業界だったから。思い切ってチャレンジすればチャンスはたくさん転がっているので、やりたいことが定まっていない人にも広告業界をおすすめしたいですね。

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