Web3.0&メタバースの時代到来で広告はどう変わる?/東映エージエンシー 坂本裕太さん〈Fresh Eye〉

Web3.0&メタバースの時代到来で広告はどう変わる?/東映エージエンシー 坂本裕太さん〈Fresh Eye〉

広告業界や広告・コミュニケーションについて、広告会社で働く若手の皆さんはどのように感じているのか? 広告会社に入って感じたこと、日々の仕事で思うこと、これからの想いなど。実際に現場で働いている先輩方の新鮮な視点をお届けする「Fresh Eye」。

今回は東映エージエンシーの坂本裕太さんの視点をご紹介。巷でよく耳にする「Web3.0」「メタバース」。それらが当たり前となったときに「広告」はどうなるか。時代の波に置いていかれないためには。坂本さんの等身大のコラムです。(以下、JAAA REPORTS「Fresh Eye」より転載)

写真:坂本裕太さん
坂本裕太さん東映エージエンシー 営業局 第4営業部
【 目次 】
Web3.0&メタバースの時代到来で広告はどう変わる?
JAAA REPORTS「Fresh Eye」

Web3.0&メタバースの時代到来で広告はどう変わる?

私が入社した10年前の広告費はまだテレビがトップで、それに加え、雑誌や新聞への出稿もまとまって出ていた。その頃からすでにWeb広告の需要は高まっていたが、それから10年経った今はWeb広告が完全にテレビの広告費を抜き、逆にWeb広告を知らない、扱えないでは通用しない時代になった。Web1.0からWeb2.0への変化でSNSやYouTubeが登場し、広告業界を大きく変化させることになったが、次は Web3.0の時代へ進む。特にWeb3.0とメタバースに関係性はないが、Web3.0の到来で時代が大きく変わるのは間違いないし、メタバースが今までの広告の在り方を覆す可能性もある。というのも、今では誰もが当たり前のように使っているSNSだって20年くらい前は全く想像もしていないものだったが、結局そこに人が集まったので、広告媒体として、ビジネスツールとして欠かせない存在になった。Web3.0とメタバース到来でこれと同じような動きがあることは予測できる。

世間に浸透するのはもう少し先かもしれないが、現在でもメタバースでビジネスを考えている人はどんどん増えているし、メタバースで買い物したり、イベントを楽しんだり、友達と話したりと、現実世界でやっていたことをバーチャル空間でやり始めている。現実とバーチャルで代替できること、できないこと色々とあると思うが、1日のうち、食事や睡眠、トイレなど生きるのに必要不可欠な行動以外はバーチャル空間で過ごすということが当たり前になる可能性もあり得ると思う。

メタバースの世界に人が集まれば、広告もメタバース内に打つことを考える。Web2.0の時代で Web広告が台頭したようにWeb3.0の時代でメタバース広告が台頭するのではないのかと思う。例えばメタバース内で集客イベントを行い、その空間に広告枠を設けたり、強制的にユーザーの視界に入るような広告をシステム構築したりとか… 、例えばドラマの世界と同じ空間にいるような感覚で観るメタバース限定ドラマができて、CMもその映像空間ごと体験できるような仕組みになったりとか… 、これは私のただの思い付きだが、今の私たちが想像できない広告の形がメタバース内で生まれていくような気がする。

いずれWeb4.0と言われる時代も来ると思うが、そういった変革期に自ら情報を取りにいかないと、どんどん時代から置いて行かれてしまう。例えば NFTを知らないとNFTに関するビジネスどころか会話すらもできない。みたいな感じで知識不足が故にチャンスを逃していることは大いにあるはず。比較的所属する会社や部署に必要な専門的な知識や経験の向上だけで満足しがちだが、それだと既存の仕事しかできないし、伸びしろはない。今後、広告会社が広告だけで成り立つかもわからない。そういった意味でも時代の変化には敏感になり、いつでも新しいフィールドに立てる準備はしておきたい。

JAAA REPORTS「Fresh Eye」

広告会社が集まり、広告を考え、広告を育てるために生まれたJAAA(日本広告業協会)。1950年の発足以来、日本の広告業界を代表する組織です。同協会が、協会の活動や研究内容を共有する機関誌『JAAA REPORTS』では、若手の業界人が日々感じていることを綴るコラム「Fresh Eye」を連載中です。

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