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レポート

親・先輩・ゼミ・地元が無意識に影響する!? ─ 就活を成功させるための心理テクニック 第5回

橋本之克さん

親・先輩・ゼミ・地元が無意識に影響する!? ─ 就活を成功させるための心理テクニック 第5回

近年大注目の「行動経済学」。不合理な生き物である人間を、心理学と経済学を用いて分析する考え方で、マーケターが消費者インサイト(消費者自身が気づいていない本音や動機)を捉える際にも参考にするメソッドです。就職活動も人の不合理な判断が少なからず起きてしまいます。判断を誤らないように、行動経済学を用いて就活対策をするならば──。

第5回は、「進路について無意識に親の影響を受けていた」「先輩や同期が受けるからとなんとなく流されていた」といった心理の原因について。目の前の就活だけでなく、将来の仕事から実生活にも役に立つ、就活を成功させるための心理テクニックをお伝えしていきます。(マスナビ編集部)

スマホに最初にインストールしたアプリを放置している人は要注意

「モバイルマーケット白書 2020」によれば、日本人が持っているスマホアプリの数は103個でした。しかし実際に利用しているのは、わずかに39個だそうです。差し引き64個は使われておらず、単にスマホのメモリーを占有しているわけです。その結果、スマホの動作が遅くなり、保存できる写真や動画の量も少なくなります。あなたのスマホは、このような状態になってはいませんか?

自分でインストールしたアプリは利用するはずですから、利用されていないものは購入時にプリインストールされていたものが多いことでしょう。行動経済学の観点で言うと、使わないアプリを消さずに放置する心理は「初期値効果」の影響だと考えます。あらかじめ設けられた初期の状態が強く影響を及ぼし、初期値に従って人が選択や行動を行う効果です。無意識に最初の状態を維持する理由は、初期設定がオススメだと思ってしまうこと、変えることで損をするかもと思うこと、単純に面倒だから、などです。

皆さんの就活においても、この「初期値効果」が影響する可能性はあります。考えられるのは……


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著者プロフィール

マーケティング&ブランディングディレクター/昭和女子大学 現代ビジネス研究所 研究員 橋本之克さん
東京工業大学社会工学科卒業後、読売広告社、日本総合研究所を経て、1998年アサツー ディ・ケイ入社。戦略プランナーとして金融・不動産・環境エネルギー等の多様な業界のクライアント向けに顧客獲得業務を実施。2019年独立。現在は、行動経済学をビジネスに活用する企業向けのコンサルティングや研修講師を行う。また企業や商品に関するブランディング戦略の構築と実施にも携わる。著書に『9割の買い物は不要である 行動経済学でわかる「得する人・損する人」』(秀和システム)、『世界最前線の研究でわかる! スゴい! 行動経済学』(総合法令)ほか。