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レポート

オンライン面接でも思い通りに話せるようになるには?

記者会見コンサルタント 永井千佳さん

学生は地域からでも受けられる、企業は社員の時間を抑えやすいなど、オンライン面接にはメリットも多く、コロナ禍が収束したとしても、継続して取り入れる企業が多いと予想されます。オンライン面接で思い通りに話すための具体的な対策を、『緊張して話せるのは才能である』(宣伝会議)の著者で、記者会見コンサルタントの永井千佳さんに解説してもらいました。

オンラインでは、ご自身の振る舞いや表情はカメラを通しています。だから表現は「3割増」くらいでようやく伝わります。しかし声が大きすぎたり頻繁に動きすぎたりすると逆効果。さじ加減が必要です。以下の3つを心がけるだけで印象が大きく変わります。

1 感情を込めて語りかける
2 無表情を笑顔に変える
3 環境整備と話し手のコンディションに注意

1 感情を込めて語りかける

緊張していると一本調子になりがち。そこで抑揚をつけて、感情を込めて語りかけるように話すことで、コミュニケーション力は3割アップします。無理に感情を込めなくても簡単に抑揚をつけるコツがあります。それは言葉に息を混ぜること。内容に合わせて息が流れる量を調節すれば、多彩な感情表現ができるようになります。ものすごく美味しいものを食べて「うわぁ、美味しい」と思わず声をあげたことはありませんか?感情がある時には自然に言葉に息が混ざるのです。息を混ぜて話せば、緊張していても言葉に気持ちが入り、興に乗りやすくなるメリットもあります。たとえば、「“ とっても”興味をもっています」の“ とっても” や、「“ もっと” 学んでみたいんです」の“ もっと” などの強調表現で息を混ぜれば、こちらの想いがより強く伝わります。

「3割増」と言っても、大げさにハキハキと
話せばいいわけではありません。確かに対面であればハキハキと声量を大きくして話すと聴きやすいですし、広い部屋だと大きな響く声で話せば説得力が出ます。しかしオンラインの場合、気を付けたいのがこの「声量」なのです。採用担当者はパソコンのスピーカーで聴いています。イヤホンを使用しているケースも多いでしょう。声の距離が近いので、大きな声でハキハキと話すと表現が強すぎて、逆に伝わり難くなるのです。オンラインでは、むしろ息を使った繊細な表現の方が伝わります。

声の高さも要注意。特に緊張するとテンショ
ンが上がり、声が甲高くなります。オンラインの甲高い声はキンキンと金属音のように響いて、聴き手にストレスをかけてしまいます。低く落ち着いた声になる「悪代官スペシャル」を練習しておくといいでしょう。

2 無表情を笑顔に変える

対面であれば採用担当者から距離があるので、表情はそれほど気になりません。しかしオンラインでは無表情が目立ちがちです。カメラが表情にズームアップしているためです。普段の3割増の笑顔で丁度良く見えます。「でも緊張して笑えない…」。こんな方には、本番直前にやれば必ず笑顔になれる方法があります。

【緊張しても必ず笑顔になる3 ステップ】
ステップ1 面接直前に、両方の口角を人差し指でぐっと持ち上げる
ステップ2 指をそっと外して、そのままの状態を保つ
ステップ3 カメラをオンにする


口角を上げるだけで必ず笑顔に見えます。冒
頭だけでも笑顔で出てみてください。印象がぐっと良くなります。

身振り手振りの調節も必要です。オンライン
の聴き手は、パソコンの小さな画面で見ています。大きな動きは騒がしく見えます。手振りを中心に使って話すと良いでしょう。

3 環境整備と話し手のコンディションに注意

オンライン面接は自宅から参加することが多いもの。ノイズが入らない配慮も必要です。たまたま通りかかった家族の声、近所の工事中の音、街宣車からのBGMなどが入り込むと、話し手も聴き手も集中力が途切れてしまいます。オンラインだと相手の状況がイメージできませんから、最悪ノイズで言っていることが伝わらないと面接はそこで終了です。これでは残念ですよね。もしどうしてもノイズが防止できないような環境なら、静かな場所を確保して面接に臨みましょう。

意外にできていないのが照明対策。10人中7
〜 8人は顔がたいへん暗く、表情がわかりにくいのです。人間は9割以上の情報を視覚と聴覚から得ています。顔の表情がわかりにくいだけで、相手に大きなストレスを与えてしまいます。これは面接で不利な材料です。部屋全体を明るくしても、顔は暗く映ってしまうことが多いものです。ぜひ顔に照明を当ててください。ただデスクスタンドは顔に不自然な陰影ができますし、まぶしくて話しにくいのでおすすめできません。専門の照明を使うと、より明瞭に顔が映り、好感度も高まります。

画面上で顔半分が切れているケースも多く見
られます。事前にカメラテストで自分の顔の位置を確認して、顔が画面の良い位置に収まるように椅子やカメラの高さを調節してください。

また、よくあるのが緊張のために口の中が乾
いている状態で話してしまうこと。口の乾いた音はマイクが繰り返し拾ってしまうので、聴き手は気になってしまいます。緊張していると呼吸が短くなったり、いつも以上に発汗したりして、脱水症状になりやすいものです。話す前に十分な水分補給をし、場合によっては面接中も遠慮なく水分を取ることが必要です。飲む前に「失礼します」と一言そえれば失礼にはなりません。

最後に、オンライン面接で覚えておいていた
だきたい大事なことがあります。オンラインでは、Wi-Fiなどのテクニカルな理由で採用担当者の質問がうまく聞き取れないことがあります。質問がわからないまま中途半端な答えをしてしまうと、大きな減点要因になります。質問が聞き取れない場合は必ず「もう一度お願いできますか?」と聞き直してください。2回目でも聞き取れない場合は、「〇〇とおっしゃった後の部分がわかりません」と具体的に聞いたり、「今のご質問は〇〇という理解でよろしいでしょうか」と確認したりすると、間違いを避けることができます。聞き直せば、良いこともあります。自分のリズムを作ることができて、緊張が一気に減ります。ぜひ勇気を持って聞き直してください。

本記事は『広告界就職ガイド2023』に掲載されたものの一部です。続き(話し上手に勝つ「バリュープロポジション」の考え方/悪代官スペシャルの方法)を読みたい方は下記からご購入ください。
広告界就職ガイド2023詳細ページ

またコラム執筆者の記者会見コンサルタントの永井千佳さんによるセミナーも開催されます。「もっと詳しく聞いてみたい!」という方は併せてご参加ください。

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