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広告業界の基礎知識

広告ビジネス入門 第22版 ‒ JAAA 一般社団法人 日本広告業協会 参照

1.「日本の広告費」の推移電通推計より

  • 日本の総広告費は6 年連続の増加。
  • インターネット広告費は4 年連続で二桁成長。
  • 業種別( マスコミ四媒体、ただし衛星メディア関連は除く) では全21 業種中6 業種で増加。
「日本の広告費」の推移図

2017 年(1 ~ 12 月)の日本の総広告費は、継続する景気拡大に伴い、6 兆3,907 億円、前年比101.6%で6 年連続の増加。インターネット広告費は4 年連続で二桁成長。
特にモバイル運用型広告、動画広告が伸長し、広告費全体を押し上げた。
市場全体としては、さまざまな局面でデジタル・トランスフォーメーションが進み、それぞれの媒体特性を生かした統合的なコミュニケーション活動が顕著になった。

2. 業種別、媒体別広告費

  • 増加業種は自動車、家庭用品、情報通信など6業種。
  • 減少業種は家電・AV 機器、精密機器・事務用品、流通・小売業など15業種。
  • 2014年の地上波テレビのデジタル化に伴い、衛星メディア関連の推定値を合算。
業種別、媒体別広告費図

3. 広告主別広告費

  • 広告宣伝費1位トヨタ自動車、2位ソニー、3位日産自動車で首位に自動車産業。
  • イオンやセブン&アイ、ファーストリテイリング、ローソンなど小売業も伸長。
  • 楽天、リクルート、任天堂、ベネッセなどサービスも健闘。
広告主別広告費図

4. マーケティング要素としての広告

  • 4PとはProduct(製品)・Price(価格)・Place(流通)・Promotion(プロモーション)のこと。
  • マーケティング・ミックスで製品を消費者に届ける手法を効果的に行うのが成功の鍵。
  • マーケティングとは「人間や社会のニーズを見極めてそれに応えること」同時に「ニーズに応えて利益をあげること」である。
マーケティング要素としての広告図

「広告」は「4P」の中の「プロモーション」のサブシステムとして位置づけられる。「プロモーション」は「人的販売」(セールス活動)、「販売促進」(狭義のセールスプロモーション)、「PR」、「広告」によって構成され、その施策はプロモーション・ミックスと呼ばれる。
そして製品(またはサービス。以下本稿では、基本的に「製品」には「サービス」の意味も含むものとする)を販売する際には、これらの要素をマーケティング戦略との整合性をもって組み合わせて行う必要がある。
つまり、いかに素晴らしい広告を作ろうとも、広告以外の「プロモーション」の要素はもちろん、「製品」「価格」「流通」という、他のマーケティング要素と合わせた「4P」全体が効果的な仕組みを作れていないとよい結果はなかなか生まれない。

5. 広告会社のポジション

  • 広告会社は三者に囲まれて成り立つ。
  • 三者それぞれにメリットをもたらすことを目指している。
  • 広告会社は様々な役割のメンバーが協働。
広告会社のポジション図

広告会社は、広告の送り手である「広告主」、その受け手である「生活者」、及び広告媒体を取り扱う「媒体社」の三者の間に位置している。そして、この三者の間で適切に機能を発揮することで、三者それぞれに利をもたらすことを目指して、広告会社では様々な役割のメンバーが協働している。

6. 各部門の相互関連

  • 営業は広告会社を代表して広告主に向き合う窓口。
  • 媒体はメディアバイイングとメディアプランニングの2つの機能を有する。
  • 分業ではなくデジタル基盤として機能を一括して扱う動きも近年は顕著。
各部門の相互関連図

かつて媒体といえば、新聞・雑誌・テレビ・ラジオのマスメディアが主体であったが、今やWeb を抜きにしたマーケティングやプロモーションは考えられない。
こうした「マーケティング・コミュニケーション領域」が、従来からの広告会社のドメインであるが、最近はそれを超えて、広告主のマーケティング活動全体、もしくは事業や経営に近い領域までを扱うこともある。デジタルマーケティングの進展もあり、広告主は広告会社に対して、マーケティング/コミュニケーション領域における、より効果的な提案を求める傾向が強まっている。
とはいえ、広告会社への期待として最上位に位置するのは、「クリエイティブ能力」である。
2017 年度の「広告動態調査」(日経広告研究所)によると「広告会社に期待すること」への回答は、上位から「クリエイティブ能力」(78.9%)、「営業担当の対応能力や調整力」(55.6%)、「基本的な広告計画の立案能力」(53.0%)、「広告効果の測定と把握」(50.8%)、「広告媒体の確保・出稿管理」(48.9%)と続く。広告主は自社ではなかなか持ちえない能力の発揮を広告会社に求めている。
では、その能力をいかに値付けし、高い付加価値としていくか。広告会社の力量が問われている。

7. 広告業務の流れ

  • 広告主の依頼内容を広告会社に提示する場をオリエンテーションという。
  • オリエンを受けて自社の提案の方向性を設定する作業を広告計画の策定という。
  • 広告主へ提案する場をプレゼンテーションという。
 広告業務の流れ図

「新製品を、秋に発売することが決定した。ついては、広告表現を含めた宣伝計画を提案してほしい」というオリエンテーションを広告主から受けるところから広告作業の多くは始まる。そこから本格的なプランニング作業がスタートし、プレゼンを経て、採用されれば制作・実施に至る、というのが広告会社の典型的な業務の流れである。

8. 広告制作業務の流れ

  • 広告制作作業の流れは規模によってケースバイケースだが基本プロセスは同様。
  • クリエイティブディレクターのもとに多彩な職種のクリエイターが集結し完成させる。
  • クリエイターは表現のみに留まらず、ソリューションを作り、クリエイティビティを反映させるのが仕事。
広告制作業務の流れ図

各種広告制作物がどのように作られていくのか、規模によってケースバイケースではあるが、クリエイティブの立場から基本的なプロセスを述べてみる。